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Jul 23, 2023

高精度3Dプリントによる電子回路コネクタの試作

コネクタは、無数の電子回路が動作する基板とケーブルを接続する重要な部品です。

ヒロセ電機は、スマートフォンや車載機器、産業機器など幅広い用途に使用される電子回路用コネクタを製造しています。 電子回路は高速化、高電圧化、小型化、複雑化が進んでおり、製品規格も日々進化しています。 コネクタメーカーは、コネクタ製品の規格や性能の進化に対応して新しい部品を開発する革新的な方法を必要としています。

ヒロセ電機は数年前から、製品開発サイクルをスピードアップするために 3D プリンタの導入を検討してきました。 評価を重ねた結果、BMF社のmicroArch S140を含む複数のプリンターを導入しました。

シェアラボ編集部(シェアラボ):なぜ3Dプリンターを導入しようと思ったのですか?

小山さん:ヒロセ電機のAI事業部に所属しています。 ここでのAIとは、人工知能ではなく、先進的なアイデアを意味します。 最先端の製造技術を研究する部門と位置付けられており、製品開発に向けたさまざまな技術の研究を行っています。

その中で我々が検討しているのが3Dプリンターの活用です。 製品開発のリードタイム短縮に活用できないか検討していました。

ラボを共有する:リードタイムの​​短縮について言及されましたが、 3D プリントは主に「プロトタイピング」に使用されますか?

小山さん:はい。 デザイナーは頭の中で図面を使ってプロセスを開始しますが、実際にこの形で機能するかどうかを確認するには、デザインを見て触れなければならない点がたくさんあります。

コネクタを基板に取り付ける必要があります。 手で持てる部品であれば、実際に取り付けやすいかどうかを考慮する必要があります。 2枚の基板を接続するコネクタの場合、実際に嵌合できるかどうかを確認する必要があります。

コネクタの要件はコネクタが使用される業界に応じて変化するため、当社の設計もそれに応じて変更されます。 さまざまなデザインに対して、さまざまな試作品や試作部品を作成する必要があります。 型を作らないと作れない部品も多く、試作には1カ月ほどかかりました。 開発期間を短縮するために、3Dプリンターで試作を行い、実際に基板に実装してフィット感を確認できないか検討を始めました。

ラボを共有する: 3Dプリンターの導入を検討する際にはどのような機種を検討されましたか? その時はどのような機能を求めていましたか?

小山さん:さまざまな 3D プリンター メーカーを検討しました。 コネクタは非常に小さく精密な部品であるため、小さな部品を精密かつ正確に成形できることが要件でした。 フィラメントを材料とするFDM 3Dプリンターでは精度が不足していたため、光造形に着目しました。 色や質感は再現する上で重要ではありませんでした。 設計データ通りに形状を正確に再現できることが重要でした。

最終的にはいくつかのモデルに絞り込みました。 弊社が扱うコネクタは幅数mm、高さ1mm程度で、コネクタピンには0.4mm間隔で穴が開いています。 穴の間隔が正しくないとピンが正しく入りません。 フィッティングテストが行​​われるため、部品の精度が要求されます。 microArch S140 は、細部にわたる精度と精度の要件を満たすことができる唯一の 3D プリンターでした。 導入の決め手は、今まで不可能だったことが可能になったことだと思います。

ラボを共有する:では、購入する前にBMF 3Dプリンターでプロトタイプを作成しましたか?

小山さん:はい。 BMFをはじめとする他メーカーからも実部品を基に試作を頂き、比較検討を行いました。

ラボを共有する:実際に導入しているのはBMF 3Dプリンターだけですか?

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